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2024.02.15 基礎知識

LCMサービスのメリットについて事例を踏まえて解説|運用方法や注意点も紹介

LCMサービスを導入すると、情報漏洩のリスクを軽減し、使用しているデバイスのライフサイクルを最適化できます。本記事では、実際の事例を通じてLCMのメリットを解説し、効果的な運用方法や注意点についても紹介します。IT資産の効率よい管理をしてセキュリティ強化を図りたい方は、ぜひ、最後まで記事をご覧ください。

LCMサービスについては、こちらもあわせてご確認ください。
➡【資料ダウンロード】PC運用にお悩みの担当者必見 PCLCMサービス導入ガイド
➡【オンデマンド配信】『Windows 11導入実態調査レポート』(2023年版)解説ウェビナー

Index

LCMサービスとは

LCMサービスを導入するメリット

LCMサービスを導入するときの注意点

LCMサービスの運用方法は2種類

LCMサービスの導入がおすすめの企業の特徴

まとめ

LCMサービスとは

LCM(Life Cycle Management)サービスとは、社内で使用しているパソコンやシステムなどの「IT資産」の調達から処分まで、ライフサイクル全体を管理するサービスのことを言います。 LCMサービスの目的は、IT資産のライフサイクル全体を効果的に管理し、最適なパフォーマンスや安定性を確保することです。

LCMサービスにはおもに5つの工程があります。

  • 調達
  • 導入
  • 運用
  • 管理
  • 処分

これらの工程を効率よく実施することで、IT資産の運用・管理業務が効率よく行えるようになり、社内全体の作業効率や生産性のアップが期待できます。

LCMサービスについてより詳しく知りたい方は、「LCMサービスとは?必要とされる理由や導入メリット・事例を解説」もあわせてご覧ください。

LCMサービスを導入するメリット

LCMサービスを導入する主なメリットは次の3つです。

  • 担当者が基幹業務に集中できる
  • 情報漏洩やサイバー攻撃のリスクを軽減できる
  • 急な増員(減員)にかかるコストを削減できる

それぞれのメリットについて、次項より詳しく説明します。

担当者が基幹業務に集中できる

LCMサービスを導入すると、担当者が基幹業務に集中できるようになります。LCMサービスを導入することで、IT資産の運用や管理を外部の専門業者に任せられるようになるからです。IT資産の運用・管理業務から離れた社員は、リソースに空きができるため本来の業務に集中できるようになるのです。

事例

ある自動車部品の製造・販売会社では、1,000台を超えるパソコンの管理サイクルに伴う業務の効率化が問題となっていました。さらにWindows 10導入における技術的な問題もあったことから、LCMサービスの導入を検討することになりました。そこでLCMサービスを導入したところ、今まで問題視されていたIT資産管理業務について次のような効果が得られたといいます。

  • 新しいパソコンの導入作業が1/2に減少
  • パソコン管理の業務負荷が1/3に減少
  • 調達からパソコン納入までの期間が1/2に減少

IT資産の運用・管理業務への負荷を減らせたことにより、担当者は本来の自分の業務に集中できるようになりました。また、Windows 10のキッティングに関するコンサルディング力の高さにより、あらゆる問題が解決したことも、導入した効果の一つに挙げられます。

さらに、パソコンの修理が必要な時も以前は情報システム部が窓口となって対応していましたが、現在は使用者が直接ヘルプデスクに修理を依頼できるようになったことも、情報システム部の負担を減らす結果となっています。

情報漏洩やサイバー攻撃のリスクを軽減できる

LCMサービスは、情報漏洩やサイバー攻撃のリスク軽減にも役立ちます。情報漏洩やサイバー攻撃はネットワークを通じた不正アクセスが主な原因ですが、IT資産の不十分な管理や導入時の設定ミスなども原因の一つに挙げられるのです。

LCMサービスは、IT資産処分時のデータの消去もアウトソース可能です。専門的な知識を持つ担当者が責任を持って処分するため、自社でデータ消去を行うよりも安全性が高いと言えます。また、導入時の設定に関しても知識を持った担当者が行うため、設定ミスによる情報漏洩やサイバー攻撃のリスクの軽減が可能になるのです。

事例

パソコンの台数が少ない場合は表計算ソフトでも管理できますが、台数が多くなると管理が難しくなり、パソコン紛失のようなセキュリティに関わる事故にもつながりかねません。ある情報システム会社は、数多くのパソコンを小人数のサポート部門ですべて管理しており、明らかにリソースが不足していました。そこでLCMサービスを導入し、IT資産の運用・管理をアウトソースすることにしたのです。

LCMサービスを導入したところ、情報システム会社では次のような効果が得られました。

  • 調達から納品までワンストップでパソコンの安定提供体制を実現
  • 導入前よりも精度の高いIT資産管理を実現
  • 閲覧範囲を制限の上、パソコンの使用者情報までをIT資産管理台帳で共有

精度の高いIT資産管理ができるようになり、パソコンが現在どのような状況にあるのか一目でわかるようになったのは、大きな成果と言えるでしょう。

急な増員(減員)にかかるコストを削減できる

LCMサービスを活用すると、急な増員および減員によるパソコンの追加や処分に対してもスムーズな対応が可能になり、コストも削減できるようになります。たとえば、中途採用で社員が増えることがわかった時点でパソコンを発注しても、購入の場合は届くまでに3週間程度かかる例も少なくありません。しかし、LCMサービスでは在庫保管や専門的な知識を持つ担当者のスピーティな対応により、入社後すぐに手配したパソコンを使用できるようになるのです。

また、パソコンは長期利用によるパフォーマンスの低下や経年劣化による故障が発生するため、定期的なサイクルで入れ替えが必要になります。そのようなときにも、LCMサービスを利用していると入れ替え時期が事前に把握でき、スムーズに対応できるのです。このような業務を自社で行うと、契約の手続きや処分の手続きに担当者の手間や金銭面のコストが大幅にかかってしまいます。

そのため、LCMサービスを利用すると、急な人員の増減にもスムーズに対応できるようになり、コスト削減にもつながると言えるのです。

事例

あるデザイン会社では、社員が入社するたびに公式サイトにてパソコンを購入していました。しかし、この場合はパソコンが届くまでに約3週間を費やしてしまいます。その後に社内の担当者が事前にキッティング(業務ですぐに使えるように設定すること)をして、社員と一緒にオンポーディング(入社した社員を早期に戦力化するための施策のこと)をしています。その他のパソコン管理業務(パソコンが故障した際の修理依頼など)も社内で行っていたため、業務におけるパソコン管理の時間は相当なものとなっていました。この作業を継続していくためには、人員を増やすしか選択肢がない状態まで陥っていたのです。

こういった問題を解決するために、デザイン会社ではLCMサービスを導入することに決めました。その結果、次のような効果を実感しているそうです。

  • すべてをLCMサービスに任せられるようになったため、人員を確保しなくてもパソコン導入時の手間を削減できた
  • パソコンを在庫として保管してもらえるので、社員の入社が決まった時点で落ち着いてパソコンを手配できるようになった
  • バックオフィス業務は属人化しやすいが、LCMサービスを導入したことにより簡単に引き継ぎができるようになった

デザイン会社は、パソコンのリースから返却・修理対応・在庫保管までLCMサービスに任せられることに魅力を感じてLCMサービスの導入を決定しました。実際に導入した結果、大きな業務負担になっていたIT資産の運用・管理の工数を大幅に減らせ、人員を他の業務に充てられるようになったのは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

この会社では、働き方の概念をアップデートして、それぞれが快適な環境を選べる業務管理を進めていきたいと話しています。この改革にも、LCMサービスは役に立つことでしょう。

LCMサービスを導入するときの注意点

LCMサービスを利用するときには、導入時にかかる初期費用や、運用・管理にかかる月額費用が発生することに注意しましょう。料金は必要とする機能や会社の規模によって異なるため一概には言えません。

そこで、LCMサービスの導入を検討する場合には、単純な費用だけで比較するのではなく、そのサービスを利用することで自社にどのようなメリットがあるのか、費用に対してどれだけの効果が得られるのかを考慮する必要があります。そのため、複数のサービスを比較検討し、自社に適したものを選ぶようにしましょう。

また、LCMサービスは「パソコンの調達先は自社で選びたい」というような要望にも対応可能です。LCMサービスの一部の機能のみを利用する場合は、当然すべてのサービスを利用するよりもコストは抑えられます。

自社の状況を見極めつつ、LCMサービスの導入を検討するといいでしょう。

LCMの運用方法は2種類

LCMの運用方法には、次の2種類の方法があります。

  • 社内運用
  • 外注

どちらの方法にもそれぞれメリット・デメリットがあります。次項にて詳しく説明しますので、自社にはどちらの運用方法が適しているか参考にしてください。

社内運用のメリット・デメリット

社内でLCMを運用する際のメリット・デメリットについて、下表にまとめました。

メリット 費用を抑えて運用・管理ができる
すべて自社内で完結するので、外部に情報が漏れるリスクが少ない
自社で使用しているIT資産に詳しい担当者がいれば、さまざまな部門の管理業務もスムーズに対応できる
デメリット 担当者の業務負担が大きくなる
表計算ソフトでIT資産を管理する場合には、台数に限界がある
管理が複雑化・煩雑化する恐れがある

社内でLCMを運用する最大のメリットはコストを抑えられることにあります。自社のパソコンやIT資産に詳しい社員がいれば、管理もスムーズにできるので最低限のコストで運用可能です。

しかし、人の手でIT資産を管理するのには限界があります。台数が増えれば増えるほど管理が複雑化・煩雑化するようになり、処分するパソコンのデータ消去が不完全なことによる情報漏洩が発生するようなセキュリティリスクも考えられます。

自社のIT資産がどれくらいあるか把握した上で、LCMを社内運用できるか検討してみるといいでしょう。

外注のメリット・デメリット

LCMを外注するメリット・デメリットをまとめると次のようになります。

メリット IT資産の一連の管理を外部に任せられるため、社員の負担軽減になる
管理するIT資産が多い・拠点が多地域に存在する・テレワークの社員が多い場合でも、管理を一元化しやすい
社員の増減によるIT資産の運用・管理もスムーズにできる
デメリット LCMサービスを利用するためのコストがかかる
社内にIT資産の運用・管理のノウハウが蓄積されなくなる

LCMを外注すると、他拠点やテレワークをしている社員が使用しているパソコンでも、管理を一元化しやすくなります。そのため、担当社員の負担も軽減され、本来の業務に集中できるようになります。また、社員の増減が多い場合でも、急なパソコンの調達に応えたり、不要となったパソコンを把握して有効活用できたりと、スムーズな対応が可能です。

ただし、LCMを外注するにはコストがかかります。コストは企業の規模や利用する機能によって異なるため、複数のサービスを比較検討し、費用と機能が自社に見合うものを利用するといいでしょう。また、一部の機能のみを外注できるLCMサービスもあります。コストを抑えたい場合は、最低限の機能のみ外注することも検討してみてはいかがでしょうか。

LCMサービスの導入がおすすめの企業の特徴

LCMサービスの導入がおすすめの企業の特徴を一覧にまとめました。

【LCMサービスの導入が向いている企業の特徴】

  • 業務に多数のIT資産を利用している企業
  • 全国に拠点を持つ企業
  • リモートワーク・テレワークをしている社員が多い企業
  • 社員の増減による、パソコンの調達や処分のコスト負担を軽減したい企業
  • 情報セキュリティを重視している企業

LCMサービスは、IT資産を一元管理できるアウトソーシングサービスのため、多くのIT資産を所有している企業にとって大きな効果が期待できます。また、近年では働き方の多様化により社外で業務を行う機会も増えています。そのようなときにも、IT資産がどこにあり、どのような状態にあるのか、調達から処分までの工程を一元管理できるLCMサービスは利便性が高いと言えるのです。

また、社員の増減により、パソコンの調達や処分をしたい時にもサービス提供会社が手続きを代行するので、時間的・金銭的なコストを下げられます。

LCMサービスは情報セキュリティの強化にも役立ちます。専門知識のある担当者によりパソコンやタブレットなどのデバイスを調達から処分までしてもらえるので、自社で行うよりも情報漏洩のリスクを軽減できるのです。

まとめ

LCM(Life Cycle Management)サービスは、パソコンなどの「IT資産」の調達から処分までのライフサイクル全体を管理するサービスのことを言います。LCMサービスを導入すると、次のようなメリットが得られます。

【LCMサービスを導入するメリット】

  • 担当者が基幹業務に集中できる
  • 情報漏洩やサイバー攻撃のリスクを軽減できる
  • 急な増員(減員)にかかるコストを削減できる

LCMサービスを導入するとさまざまなメリットが得られますが、コストがかかります。そのため、現在使用しているIT資産の数を把握した上で、社内運用するか外注するか検討するといいでしょう。管理するIT資産が少ない場合は、社内でLCMを運用することも可能です。

LCMサービスの目的は、IT資産のライフサイクル全体を効果的に管理し、最適なパフォーマンスや安定性を確保することにあります。現在の自社の状況を見極めた上で、効率よくLCMを活用しましょう。DRSでは、PCLCM(PCライフサイクルマネジメント) として、パソコンの調達から導入、運用、処分、IT資産管理に至るまでをトータルでサポートします。複雑化・煩雑化しがちなIT資産管理をスムーズに実施したい方は、ぜひ導入をご検討ください。

PCLCMサービス導入ガイド

「PCの導入や運用、管理など日々の業務に追われている」というお悩みをお持ちの管理担当者様へ。PC運用管理業務の負担を軽減できる「PCLCMサービス」についてご案内します。

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