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2023.10.05 PC関連知識

PCのキッティングに必要な知識や作業手順、ポイントを詳しく解説

パソコン(PC)のキッティングとは、ユーザーがPCを利用できるよう各種設定を行うことです。キッティングの主な方法には、1台ずつ手作業でインストールする方法と、クローニングでマスターイメージをコピーする方法があります。

本記事では、それぞれの場合での作業の流れやポイント、およびキッティングを実施するうえで押さえておきたい知識を解説します。また、キッティングをアウトソーシングすることで得られるメリットについても説明します。

キッティングのアウトソーシングのため、PCLCMサービスをご検討されている方は、こちらもあわせてご確認ください。
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Index

PCのキッティングとは

キッティングに必要な知識

キッティングの効率化はアウトソーシングがおすすめ

キッティングは細心の注意をはらって効率的に行おう

PCのキッティングとは

企業におけるPCのキッティングとは、従業員が業務でPCを使用できるよう各種設定を行うことを指します。PCの初期設定と言い換えることもできます。

また、キッティングと似た作業にセットアップがありますが、これらは作業範囲が異なります。セットアップはソフトウェアの導入・設定作業を指すのに対し、キッティングはPCを使用できるようにするまでの作業全般(ユーザーIDの設定から、BIOS 設定、業務に必要なソフトウェアやアプリ、ネットワークや周辺機器のドライバのインストール、キッティング後の動作確認まで)を指します。キッティング作業の中にセットアップが含まれるとイメージするとよいでしょう。

PCをIT資産管理システムに登録し、管理番号や導入日などの情報を記載した資産管理ラベルを貼り付けて管理する場合は、キッティングの一連の作業の中で、ラベルの貼付も行います。

キッティングに必要な知識

キッティングの主な方法としては「手作業」「クローニング」の2つがあります。

Windows 10以降のOS限定で展開できる方法として「プロビジョニング」「ベアメタルビルド」「Windows Autopilot」もありますが、本記事では「手作業」と「クローニング」において必要な知識および手順について説明していきます。これらはそれぞれメリットとデメリットがあるため、PCの保有台数や活用できる人材リソースといった自社の状況に応じて適した方法を選択することが大切です。

各方法の概要、「Windows Autopilot」については下記の記事で解説しています。

キッティングとは?効率的な作業のコツからアウトソーシングのメリットまで解説

Windows AutopilotでPC設定負担を大幅軽減!概要やメリット、利用方法を解説

基本的な作業手順

手作業とクローニング、それぞれの場合の手順を紹介します。

手作業の場合

1.PCの開梱および設置作業(通電の確認作業を含む)を行います。

2.モニター・キーボード・マウスなどの周辺機器を接続していきます。

3.BIOSで必要なセットアップ、ビットロッカーの設定をします。

4.Windows OSのインストールと各種設定を行います。このときにユーザーID、初期ログインパスワードの設定もあわせて行います。

5.必要なソフトウェアのインストールと各種設定を行います。この段階でセキュリティソフトがインストールされていること、PCのファイアウォールを利用する場合は設定が適用されていることを確認しておきます。

6.必要に応じてプロキシ設定、ネットワークの設定を行います。

7.PCの動作確認を行います。チェックリストを作成してチェックを進めると、設定に漏れ・ばらつきが出ません。

8.IT資産管理システムへの登録および資産管理ラベルの貼付を行います。

クローニングの場合

1.マスターPCを作成します。

2.Sysprepによる個別設定を行います。

3.マスターイメージの抽出をします。

4.クローニングを行うために、各PCのBIOSのブートシーケンスを変更します。

5.クローニングを実施します。

6.ユーザー別またはグループごとの設定を実施します。

7.PCの動作確認をします。チェックリストを用い、設定漏れがないか、設定したパラメータどおりになっているかをチェックします。

8.IT資産管理システムへの登録および資産管理ラベルの貼付を行います。

押さえておくべきポイント

キッティングを手作業とクローニングそれぞれで行う場合に押さえておくべきポイントを紹介します。

手作業の場合

  • インベントリ情報を収集・登録する

    インベントリ情報を収集して、IT資産管理システムへ登録します。インベントリ情報を登録することでPCの全データが一元管理され、可視化されます。その後のIT資産管理をスムーズかつ正確にするために必要な作業です。

    保有するスペック情報(製品名やCPU、ハードディスク容量、メモリなど)や、インストール済みのソフトウェア・OSの情報といった、ハードウェア機器が持つさまざまな情報

  • 個別設定のチェックを行う

    エンドユーザーの個別設定の確認をしっかりと行う必要があります。特に手作業でキッティングを行う際は、設定漏れが発生する可能性があるためです。バッチやスクリプトを使って確認作業を効率化し、処理結果を記録しておくと、あとあと確認する手間を軽減するのに役立ちます。

  • ユーザーのIDで動作チェックする

    エンドユーザーのユーザーIDでログインして動作確認をします。動作確認リストを作成し、チェックしながら行うようにしましょう。

クローニングの場合

  • OSボリュームライセンスの事前確保

    ライセンスを確保する前にOSのコピーを行うと、ライセンス違反となります。必要な台数分のOSボリュームライセンスは事前に購入してから、クローニングを行いましょう。

  • プレインストールOSはマスターイメージとして使用しない

    プレインストールされたOSをマスターイメージとして使用してはいけません。ほかのPCへのコピーは許可されていないため、クローニングするとライセンス違反となるためです。ただし、ボリュームライセンスのOSは再イメージング権があるため、ボリュームライセンスメディアを用いたマスターPCの作成は問題ありません。

  • 個別IDを作成するアプリケーションに注意

    ウイルス対策ソフトや資産管理ツールといったアプリケーションのなかには、インストールする際に個別IDを作成してPCを識別する仕様のものがあります。その場合、クローニングでこの個別IDまでコピーされてしまい、アプリケーション管理サーバーにIDが重複登録されるといったトラブルが発生する可能性があります。そのため、事前にアプリケーション製造元のベンダーにクローニングしても問題がないか、また、IDを初期化する必要があるかなどを確認しておくことが望まれます。

  • マスターイメージ作成のスケジュール管理

    マスターイメージの作成には時間がかかるため、スケジュール管理が重要です。また、マスターPCにエラーがあると、すべてのクローン先のPCにそのエラーがコピーされてしまうので、マスターPC作成後は事前検証をしっかり行うことが大切です。

また、手作業の場合もクローニングの場合も、キッティング後は管理番号を記載した資産管理ラベルを各PCに貼付します。資産管理ラベルを貼付することで、棚卸しや修理対応などをスムーズに行うことができます。

キッティングの効率化はアウトソーシングがおすすめ

自社でのキッティング作業は負担が大きいだけでなく、時間や人員など多くのリソースを必要とします。また、片手間に出来る作業ではないため、ほかの業務の対応も難しくなります。加えて、キッティングはPCの新規導入時のほか、故障時、OSのサポート切れによる入れ替え時などに発生するため、その都度対応が必要です。

こうした作業負担を軽減するためには、キッティングのアウトソーシングが有効です。専門のノウハウを持つアウトソーシング事業者に依頼すれば、適切に設定されたPCを指定の期日までに受け取ることができます。また、 自社の人材リソースの確保だけでなく、業務の属人化防止やキッティングのクオリティの担保にもつながるでしょう。

キッティングは細心の注意をはらって効率的に行おう

本記事では、PCのキッティングの基本から主要な方法、実施のために必要な知識を紹介しました。キッティングには正確さが求められることに加え、PC台数が増えるほど作業負担も増えます。そのため、精度と効率を高めるためにアウトソーシングがおすすめです。

DRSのPCLCM(PCライフサイクルマネジメント)サービスでは、キッティングにも対応しています。PCの調達から処分までのサービスをトータルで提供しているため、キッティングと合わせてPCの管理や運用面もお任せいただけます。PCの管理負担を大幅に軽減できるだけでなく、安定した運用を実現できるのがメリットです。

PCのキッティングにお困りの際は、ぜひDRSのPCLCMサービスの活用をご検討ください。

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