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2023.10.31 PC関連知識

SSDのデータを消去するには?HDDとの違いやデータ消去の方法を解説

高速なデータ読み出しが可能なSSD(Solid State Drive)搭載のパソコン(PC)が広く普及しています。SSDは、HDDと比べて衝撃による故障の可能性が低く軽量であるというメリットがあるものの、特殊な仕組みのため、データを消去する際には注意が必要です。特に重要なのは、HDDと同じ方法でSSDのデータを消去すると、内部にデータが残り、漏洩するリスクがあるということです。

本記事では「SSDのデータを適切に消去する方法を知りたい」という方に向けて、SSDのデータ保存の仕組み、データ消去の手順について解説します。

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Index

SSDとは?

SSDのデータ消去についての注意点

SSDのデータを消去する方法

SSDのデータ消去は業者への依頼がおすすめ

SSDとは?

SSDは「Solid State Drive」の略称で、PCの記憶メディアとしてHDDに代わり普及しています。以前は高価だったためSSDを内蔵するPCの数は限られていましたが、今はそれも逆転し、SSDが主流となっています。

また、SSDが普及した理由には、HDDよりも高速でデータの読み出しが可能、小型・軽量、動作音が静かといった点もあります。SSDは、フラッシュメモリ上にデータを書き込み、それを読み出すという仕組みが採用されているため、ディスクを回転させ磁気ヘッドでデータを読み取るHDDと違って物理的な操作がない分、高速な処理が可能です。

HDDとSSDの違いは?

HDD(Hard Disk Drive)は、SSDが登場するまで主に使用されていたPCの記録メディアです。HDDはSSDと比べて、保存できるデータ容量の上限が大きいという利点があります。

しかし、データの読み出しがディスクを回転させながらになるため、時間がかかるという点と動作時に熱や音を発する点、および衝撃に弱いという点が欠点です。

SSDのデータ消去についての注意点

SSDのデータを消去する際は、SSDが持つ「ウェアレベリング」と「フリーズロック」という2つの機能を無効化する必要があります。

以下、ウェアレベリングとフリーズロック、それぞれの特徴を解説します。

ウェアレベリング

ウェアレベリングとは、SSDのメモリコントローラが自動で行う機能で、ブロック化されているメモリセルへの書き込み回数を平均化し、ブロックの寿命に偏りが出ないようにするものです。

SSDのデータ保存先となるフラッシュメモリの各セルには書き込み回数の上限がありますが、このウェアレベリングにより書き込み回数を平均化することで劣化を均等にし、SSDの使用寿命を延ばすことが可能です。

また、SSDにはメモリコントローラでしかアクセスできない余剰領域があり、これはPCなどの端末からはアクセスすることができません。

こうした特徴から、SSDのデータ消去の際にはアクセス不可の領域も含めたすべてのメモリセルに対しデータを消去しなくてはなりません。HDDの場合と同様に上書き処理を行っただけでは不十分であり、SSDのデータ消去にはこのウェアレベリング機能の無効化が必要となります。

フリーズロック

フリーズロックとは、誤操作によるデータの消去や、非表示になっている領域へのアクセスを防止するための機能です。SSDにはデータを消去するためのコマンドが備わっていますが、このコマンドを実行する際には、フリーズロック機能によりデータ消去が失敗する可能性があることに留意する必要があります。

SSDのデータ消去コマンドを利用する場合は、先にフリーズロックを無効化しなくてはいけません。フリーズロックはPCの起動と同時に作動するため、BIOSから解除しておくことが求められます。

SSDのデータを消去する方法

SSDはHDDとデータの書き込み方法が違うため、同じ方法でデータを消去することができません。この点を認識したうえで作業を行うことが大切です。

以下、SSDのデータを消去する方法について解説します。

データの上書き

ウェアレベリング機能を無効化し、その上から無意味なデータを大量に上書きしてSSDのデータを消す方法です。必要なだけ上書きを繰り返すことでPCからはアクセスができない非表示領域データも消去できるという利点があり、PC画面には表示されない領域のデータも上書き処理によって消去できるのが特長です。

この上書きによるSSDデータ消去を専門業者が実施する場合は、市販のものよりも信頼性の高いソフトを使用します。より確実にデータの消去を実施したいなら、専門業者への依頼がおすすめです。

専用クラッシャーでSSDを壊す

SSD専用のクラッシャーを使って、SSDを物理的に破壊するという方法もあります。HDDでも物理的に破壊する方法がとられますが、HDDのようにただドリルで穴をあけるというわけにはいかず、SSDの場合はデータチップを砕くために、2ミリ以下に裁断可能な電動の専用クラッシャーを主に利用するという点において、HDD以上に難易度が高い作業となります。なお、レンタル・リースPCの場合は、原状回復して返却するルールがあるので、原則この方法は使えません。

コマンドを使用してデータを消去する

SSDのSecure Erase/拡張コマンドを使ってデータを消去する方法です。

シリアルATA接続のSSDの場合は、そのままではSecure Erase/拡張コマンドを利用できないため、いったん外付けSSDであるとPCに認識させたうえで、Secure Erase/拡張コマンドを実施する必要があります。

なお、このコマンドを使用してデータ消去を行う前には、BIOSからフリーズロック機能を解除しておくことが必要です。

もしうまくいかない場合は、専門業者に依頼をすることも検討しましょう。

以下の記事で法人用PCのデータを消去する方法を紹介しています。信頼できる業者へデータ消去を依頼するメリットについての記載もあるため、ぜひご参照ください。

法人用パソコンを安全に処分するには?データ消去を行う方法や注意点を解説

SSDのデータ消去は業者への依頼がおすすめ

SSDのデータ消去をする場合は、HDDと同じ方法ではできないという点に注意が必要です。SSDは容量が大きいため、上書き消去する場合は非常に時間がかかります。その他、データの内部の非表示領域や、ウェアレベリングによるメモリセルへのデータ書き込み分散、データ消去コマンドの実行を妨げる可能性のあるフリーズロックなどがあり、消去の難易度も高めです。物理的に破壊してSSDのデータ消去を行うのであれば、専用クラッシャーで細かく粉砕するという方法で行えるのですが、これも専門業者でなければ難しい作業です。

どちらの方法をとるにしてもSSDのデータ消去には高いハードルがあるため、データ消去は専門業者へアウトソーシングするのが安全かつ確実だと言えます。 DRSのPCLCM(PCライフサイクルマネージメント)サービスは、法人向けにPCのレンタルを含む調達から処分までのトータルサポートを実施するサービスです。PCのデータ消去も承っており、SSDの消去にも対応、データ消去作業証明書の発行も可能です。

なお、データ消去サービスはDRSのレンタル・リースをご利用中のお客様が対象になるため、データ消去のみの委託はできません。PCLCMサービスではPCのレンタルやその故障時のサポート、データ消去などを提供しています。PCの導入を考えている方は、ぜひご検討ください。

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